【自転車旅ブログ】九州チャリ旅vol.9『一番きつかった日』
今日は9日目。(前回8日目)
現在、僕がいるのは、熊本県は熊本市。今日は九州自転車旅で、いや今までの自転車旅で一番きつい日になった。
今回、九州自転車旅を九州一周と言っていないのは、鹿児島と宮崎を行かないからだ。次の予定があってのことなのだが、つまり、熊本から大分まで阿蘇山を超えていかないといけないのだ。
本来は阿蘇で一泊して大分へ行くつもりだったのだが、宿が取れず一日で大分・別府まで行かなければならなくなった。
朝6時半、熊本市内のホテルを出発し阿蘇山へと向かう。なんだかんだ今までいろんな坂を超えたことがあったので、何とかなるだろうという気持ちで出発した。
早朝は涼しく、山の麓まで平坦な道を快調に飛ばしていった。
20㎞を過ぎたあたりで山道へと入って行った。地獄の始まりだ。
昨日会った友人は
「阿蘇は自転車乗っている人がけっこういるからおすすめだよ」
って言っていたけれど誰一人そんな人はいない。
えげつない傾斜、延々と続く坂。まだまだかとおもいながらひたすら漕いだ。今まで一番きつかった四国の七子峠はただの丘に感じるほどだった。
僕は自転車を漕ぐときは、坂の途中では止まらないようにしていた。なぜなら一度止まってしまうとリスタートがものすごくきついからだ。しかし、登っても登っても先が見えないこの坂では体が止まらざるを得ない状態にまで疲労していた。
坂で休憩。
木の影が涼しくて街中で休むより疲労の回復が早いようだった。普段、1時間~2時間に一回休憩をはさむのだが、一回目の休憩の後は、30分に一回になり、15分に一回になり、しまいには5分に一回くらい休憩していた。
いくら漕いでもたどり着かない頂上。絶望していた。それでも、一歩ずつ、一歩ずつ進んでいった。
山道に入ってから20㎞進んだ頃だろうか、急に視界が開けてきて一面に綺麗なススキが現れた。

こんなにうれしい瞬間が今まであっただろうか、「やったー!」「着いたー」と発狂していた。
阿蘇の眺めは最高だった。

しかし、その瞬間は良かったのだが、よくよく考えてみると坂を登ったきつさとこの景色は見合ってないような気がしてきた。それほどきつかったのだ。
坂を下ると、阿蘇の街に出た。10月はじめなのにだいぶ涼しかった。少し寒いくらいだった。
ここであることを思い出す。阿蘇山はカルデラ地形だということだ。つまりまた坂が待っているのだ。ひと時の平坦区間を終え、また坂道がやってきた。
もういいよ。坂はお腹いっぱいだよ。
ひたすら登る。登って登って登りまくる。
ただもう限界が来ていた。いや、もうすでに超えていたのかもしれない。気づいたら自転車を降りていた。これは無理だ。歩こう。そう思ってしばらく歩いた。
下り坂が現れた。
やっとこれで阿蘇山を超えた。あとはひたすら下り坂だ。よく頑張った。よくこれを乗り越えた。
5時ごろに別府についた。温泉付きのゲストハウスに泊まり、別府温泉で一日の疲れを洗い流した。
長い長い9日目が終わった。
つづく
次回予告
天気予報を見るとなんと台風が接近していた。しかも超巨大らしい。これはやばい。台風から逃げる10日目。どんな一日になったのだろう。
今回のコース

コメント
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